瞬きを40回、休まずに続けてやってみてください。
意外と面倒ですよね?
その瞬き1回が、1km歩く事だとして
40回が40キロです。
■40キロハイク
≪Wikipedia≫
5月中・下旬ごろに行われる行事。
戦前に熊谷から秩父の間で行われていた「剛健行軍」を再現したもので1975年から実施されている。
熊谷の荒川河川敷から秩父線上長瀞駅までのおよそ40キロを完歩する。
■距離と駅
️駅数で言うと、17駅
山手線が1周30駅なので、半分くらい・・
ではなく、秩父線の17駅です。
秩父線の駅距離は都会の20倍です。
(個人のイメージです)
さらにその道中は・・・
秩父山脈を越え、
荒川を超え、
途中で大麻が生えてたり、はぐれたりします。
■未知との遭遇
都会人である南部民にとっては
「秘境探索」
そして、秩父民とっては、ただの
「帰宅」
■実際の様子
スタートの様子はこんな感じ。
あ・・・
年齢制限あるみたいです。
適正年齢だと思う方は、YouTubeで
「熊谷高校 40キロハイク スタート」
と、検索してみてください。
高校の学校行事の動画に、なぜ年齢制限が・・?!
ちなみに、内容は渋谷のハロウィンを、
男子限定にして
40キロ民族大移動させる感じです。
うん。
警察は、渋谷のハロウィン取締るより、こっち取締まった方がいい。
でも、このくらいお祭り騒ぎにしないと、
40キロ歩くなんて馬鹿げた事、やってらんない!!
という事のようです。
■お祭り騒ぎは一般の生徒だけ・・
そんな馬鹿げた40kmに対して、
陸上長距離は勿論、
真正面から挑みます!
浮ついた仮装などせずに、
伝統ある剛健行軍の行事を守りたい・・
という訳では全くなく、
普段から馬鹿みたいな地獄の練習をしているので、
練習するより40キロ走る方がまだマシ!!!
■フルマラソンとの違い
同じ約40㎞を走るとしても、健全なフルマラソンと圧倒的な違いは、
「地獄門」
体力もやる気も完全に枯渇する30㎞地点に突如
「さあ、ここが地獄の始まりだよ」
というムカつく看板が現れます。
そして、悔しいけど
本当の地獄の山道が始まります。
スタート前、仮装してはしゃいでいた一般生は全員ここで、
同じことを思います。
「参加するんじゃなかった・・」
でも、30km進んだ所で気付いても、もう手遅れ・・
■3年間の私の順位
□1年 16位/900人
・タイム:3時間30分ぐらい
・敗因
40kmという未知の距離と、秩父という未知の世界に自分の身1つで踏み込む恐怖(これ、本当に帰れるの?)にビビって地獄門で脱落(歩いた)。
□2年 1位!/900人
・3時間5分
・勝因
陸上部の練習でもっと怖い事を沢山味わったため免疫ができた!気力で1位に!
□3年 1位!!!!/900人
(2年連続1位は開校以来初)
・2時間50分
・勝因
現役時代に重度の貧血で半死人状態だったが、
引退による強制休息で超回復し、現役時以上の力を発揮!
と、現役世代の2年が1位になるのが慣例の中、
その常識を打ち破りました!
■デットヒート
とは言え、現役である2年の後輩も
「引退した先輩に負けたらやばい!」と超必死
30km地点まで抜いたり抜き返したりの
熾烈なデットヒートを繰り広げ、
勝敗が分かれたのは、やはり
地獄門
「もう30kmも走ってつらい。」
「早く解放されたい。」
「これだけ進んだからもうそろそろゴールだろ」
「ゴールはまだか。」
「早くこの地獄から解放されたい。」
と疲弊しきった所に、
「は?何言ってるの?
本当の地獄は、今から始まるんだよ」
と容赦ない事実を、聞きたくないのに教えてくれる。
地獄の山登り
デットヒートを繰り広げてきた後輩も、地獄門を見て
一瞬、怯んだ。
私も体力は限界が近かったが、
後輩が怯んだのをみて一瞬だけ体力ゲージが回復!
その瞬間にラストスパート!
本当はのこり10㎞もある地獄の入り口で、ラストスパートをする体力は残ってなかったが、後輩の心を折るために最後の力を全集中。
そして、30mぐらい差をつけた所で、
後ろから後輩の
心が折れる音
が聞こえた。
■ゴールの落差
そして、そのまま40キロ走り切り、1位でのゴール!!
2年連続!!
熊谷高校開校以来初の快挙!!!!
・・のはずが。。。
スタート時は参加者900人+応援で1,000人以上が集まり、お祭り騒ぎだったのが、
1位でゴールすると・・
父母会・PTAの数人がゴールの設営準備しながら談笑中。
「え?!もう来ちゃったの?!」
「え??40キロずっと走ってきたの?本当に?!」
「お、おめでとう!お、お疲れ様。。。」
という、
誕生祝いのサプライズ準備中に
本人来ちゃった、みたいな気まずさ。
(2回目は慣れた)
表彰もメダルも名誉も何もなく、
完全な自己満足
クールダウンをしながら2位以降を待つが、全然来ない・・
(地獄門で心が折れると、そのあとの10㎞は本当にきつい。1年目に経験済)
駅前にコンビニもなく、何もやる事がない・・
さらに、サプライズ準備中に来ちゃった気まずい空気・・
そうしているうちに2位より先に、昼間は1時間に2本しかない貴重な秩父線が来てしまい、そのまま1人で帰る。(自由解散)
こうして、自己満足の挑戦は終わる。
ちなみに、一般生のゴールの風景
≪ここまでのまとめ≫
■「ピンチは(相手の心を折る)チャンス」
自分がピンチの時は、相手もピンチ。
そこで「一歩」踏み込めると、相手の心は折れる→勝てる。
■絶望的な秩父の大きさを思い知る。
ここまで書いた40キロ・苦労して辿り着いた上長瀞駅は、まだ秩父のほんの入り口。
秩父にはさらに奥地があり、そこから毎日通う秩父民の偉大さに、熊高生全員(特に南部民)が驚愕する。
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